外国人記者クラブで松岡がアピール
去る2月14日の雨がしょぼ降るバレンタインデーに、松岡被告と私は有楽町駅前で待ち合わせて電気会館ビルの中にある「外国人特派員協会」(通称外人記者クラブ=the Foreign Correspondents' Club of Japan 、以下FCCJと記す)
へ向かった。このイベントは過日の大阪で支援会の代表世話人の永岡さんが、ベンジャミン・フルフォード氏と面談して実現したものである。永岡さんとフルフォード氏のお骨折りに感謝したい。
かねてより、大手国内メディアの「鹿砦社・松岡裁判」報道の在り方について、私たちは機会あるごとに未曾有の言論危機を訴えてきたのだったが、相も変わらず一向にその鈍感な姿勢が変わるような兆しもない。大阪高裁判決を目前に控えて、いささか業を煮やしたところで、ちょうど舞い込んできた話だったので、外国メディアでは一体どのようなリアクションが得られるのかが未知の期待値としてあった。
事件の経過の報告会見と質疑応答の中で、なんと6名ものジャーナリストからの質問があり、一時間の予定が大幅にオーバーして30分以上も延長となる熱のこもった記者会見となった。
協会所属のジャーナリストたちが会見の際に出された質疑内容のみを以下に箇条書きしておく。
Q1. なぜアルゼのことばかりを連続して追及したのか?
Q2. 逮捕・勾留以外にも日常的に身の危険を感じたようなことはなかったのか?
Q3. 以前に殺された石井弘毅代議士も生前に精力的にパチンコ業界の警察との癒着を追っていたが、やはり陰ではヤクザが暗躍しているのか?
Q4. どうして日本のマスコミは、このような明らかな言論弾圧をつぶさに報道しないのか?
Q5. どうして言論の自由があるのに、本を出版しただけで逮捕・起訴されるのか? 弁護士さんは何と言って松岡さんを弁護しているか?
Q6. 私=記者自身、オリコンから5000万円の民事訴訟を起こされている。いわば弾圧の先輩として松岡さんに聞きたい。どうやったら表現者は、そうした攻撃から身を守れるのか? スタンガンとか催涙スプレーでは無理なのか? (思わず皆が苦笑・・・)
概ね、以上のような質問が相次ぎ、会場は文字通り熱気に包まれた。
以下は上記に対応する松岡被告からの丁寧な返答である。
A1. 最初は1巻のみでと思ったが自分としては出した本自体が検証不足もあるようで不満だった。それで精細な取材を重ねて第二弾を出そうとしたときにアルゼから「出版差し止め」に遭った。内容の真実性に自信があっただけに、「これはさらに何かある」と思い、その後も連続してアルゼ問題を追うことになった。半分は意地だと思われるかもしれないが、そのときは真剣に真理を追求する思いが先行した。
A2. 権力による逮捕・勾留以上の弾圧・恫喝はなかったと思うが、もともと私はそれらの圧力に若い頃から鈍感だったので、ひょっとすると他の勢力にも狙われていたのかもしれませんね(笑)
A3. アルゼは既に表の社業として堂々とラスベガスとマカオにカジノを運営しています。現在公判中の私の口からはそれ以上のことは言えません。(会場にどよめき・・・質問者のフルフォード氏を含む複数の外人記者から「それって、ひょっとしてあのMとも関係しているのか?」というような早口の英語が飛び交う)
A4. そもそも日本の裁判報道そのものが不十分な構造にあり、その全てが検察・警察・裁判所から貰うブリーフィングのみで記事を済まそうとしている。それらの公的機関からのリーク体制は特殊日本的な記者クラブの在り方と表裏一体である。端的な話をすると、私本人の逮捕を当日朝に配達された朝日新聞で、それも「アンタ、えらいこっちゃで」という母の狼狽で知るということになった。(再びどよめき・・・)
A5. 私も弁護人も支援会も、この事件については明白に「憲法第21条=表現の自由・言論の自由」という論議の枠内にあるものとして、原則的に無罪だと考えている。
A6. ご質問者の(ウガヤ)さんの5000万円という請求には何と言ってよいのか、なんせ私はアルゼから3億円の賠償請求でしたから(笑)・・・ただ烏賀陽さんも元アサヒのOBだと聞きますので、今後とも国内での有形無形の共闘関係を築きたいと思っております。一緒に頑張りましょう。
以上のやりとりの中で、外国人の方にはきっと判りにくい法的な側面などあるものと思い、私の方からは蛇足だが以下の端的な補足をしておいた。
1. そもそも日本の刑法は古くは明治時代のものであり、刑法230条の「名誉毀損罪」は自由民権運動以来の権力側が鬱陶しいと思う政敵(Political Enemies)を言論封じし、排除するという立法主旨のもとに設けられた。
2. 現在は、利害が相反する民間企業の間でも、高額な賠償金を裁判で吹っ掛けることによって、相手の経済的打撃=弱体化を目論むように機能し始めた。それによって高額訴訟が頻発し、利益率を重視する大手の言論機関=マスメディアのほとんどは腰が引けて、裏を取らずに型どおりの取材でお茶を濁し、検察・警察・裁判所からのリーク情報のみで記事を埋めることとなった。
3. 結果としてこんな古臭い法律が戦後も生き延びたことで、金や権力を握る側に好都合な現代社会になりつつある。「言論の自由」が民主社会のベーシック・ルールであるにもかかわらず、古臭い法律のお陰で、不条理な既存の権力秩序を温存できる極めて現代的なスタイルの政財官一体となった「言論統制」が可能になったのは、まさしくこの国の歴史的アイロニーである。決して一般の日本人のように、日本のマスコミ・メディアが国民性としての「シャイ」な情況にあるのではない・・・これはまさしく「権力の意図」するところなのだから。
こういう具合で、外国人特派員協会での会見は、一定の緊張の中にもユーモアとウィットを感じさせるフォーリン・ジャーナリストたちのお陰で、なごやかに時を過ごした。
会見終了後も名刺交換を求める各国のジャーナリストたちと交流し、その一部がビルの一階にあるパブに合流した。この会見模様が、このまま外国に配信されたらG7,G8どころか、「京都議定書」までが吹き飛んでしまいそうな我が国のお寒い「言論の自由」情況は一体どのように報道されるのだろうか。
フォーブス日本支局長を辞した怪人ベンジャミン・フルフォードは、評判どおりのギョロ目が可愛いオジサン風だったのが微笑ましい。烏賀陽氏は京都出身=京大つながりで若い頃は西部講堂でもロック・バンドで慣らしたらしいが、彼の尊敬する唯一無二、神とも崇めるスターは何と我が友パンタであった(笑)
打ち上げのパブで飲みながらパンタに直電した携帯を「ほれ、アンタの崇拝する神様が・・・」と代わってあげたら、「えー!! ホンマにあのパンタさんですかいなぁー!!」と、急に関西弁になって何度も何度も、自分の前方の当て所ない有楽町駅に向かって、ペコペコお辞儀を繰り返していたのが面白かった(笑)、マッド・アマノさんも加わって、その後も久しぶりの上京をした私の知り合いが増えて、とりあえず現下の裁判の情宣だけはできたのかと思う。願わくはひとつだけ・・・「言論無罪・出版有理」!!









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