ストーンズを名古屋ドームで
この前の大阪ドームから約3年、あのときは自分自身を少しもて余していたような気がする。
なんとなれば私にとって「政治」ほど自身を翻弄したものはなかったからだ。
あの日は、新大阪の駅からウェスティン・ホテルまで着く間に、幾つかのブッシュの『イラク侵攻』を伝える号外を握りしめていた。忘れもしない3月20日であった。
荒れる気持ちを抑えるために、持参していたMPプレイヤーで何度も何度も「ストリート・ファインティングマン」や、「ペイント・イット・ブラック」、「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」などを繰り返し聴いたのだった。戦争をやりたければやったらいい・・・けれど、ブッシュは大統領を辞めても、きっと日本流に言ったら「畳の上では死ねない」ほど、全世界の抑圧された人達の恨みを買ったという他はなかった。
今回の名古屋公演はナゴヤドームで、もちろん初めてのストーンズの名古屋来演であった。
平均年齢50歳以上6名のクルーで、車で駆け付けたのだが、そのうち3名はストーンズ未体験者だった(笑)、中には、ストーンズのことを全く知らないオジサンやオバサンも居て、「まぁ、とにかく聴いて見てみたら」と、半ば強制的に連れて行ったのだが案ずるよりも彼らが一番ノリノリだった(笑)
40年以上も、同じメンバーで強烈なステージを叩き出すストーンズには、ただ敬服している。
今回はアリーナ席だったので、もしやと思ったけれども、やっぱりドーム中央まで迫り出してくるレールウェイには10メートル以内で接近できたのが嬉しかった。キースやロンの投げるピックは受け取れなかったけれども、ミックやチャーリーの姿が肉眼ではっきりと見えたのが衝撃的だった。
よく言葉で語られる『反権力』や『反体制』だったら、私たちも充分やり尽くしたと思うのだ。
それも自分の人生を簡単に棒に振るほど思い詰めて・・・私たちはかけがえのない友をあの運動の中で沢山失っていって茫然自失していた過去がある。
でも彼らはあのような激しいコンセプトを内包しながら、還暦をとうに過ぎても仲良しで居られた。
アンコールの2曲のうち、やはり最後を飾るのは「アイキャン・ゲット・ノウ・サティスファクション」だった。そうだ、そうだ、満足なんかしている暇はないのだ。満足なんか・・・・・



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